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OKAJUN Blog

劇作家の岡本ジュンイチが、みずからの気分に基づいて記事を書いていきます

書評『ふじたあさやの体験的脚本創作法』

書評

この書籍は、劇作家を志す人や脚本を書いてみたいという方に向けた創作ノウハウ本で、劇作家・ふじたあさやさんの独特な語り口で説いている脚本創作論となっています。
世間一般で広まっているノウハウ本とは違って、ふじたあさやさんの体験に基づいて脚本の創作法が語られているので、何度読んでも深々と感心させられる内容となっています。
例えば、ふじたあさやさんは物語を矛盾で書くことを推奨しています。
矛盾のある物語は、一般的にはただの破綻で終わらされてしまうのですが、ふじたあさやさんが言うのはそういうことではありません。
この書籍で挙げられている例で話すと、例えば一人の男が妻に「今日はいい天気だね」というのに対して、普通に「はい、そうですね。」と妻が言うようにすると、何の変哲もない普通のありきたりな話になってしまいます。
それではドラマは生まれるはずもありません。
そこで、作者が意図的に、妻に違った言葉を語らせるのです。
例えば、「いいえ、私にはそうは見えないわ」とか、「そうかしら」とか。
そうすることによって、なぜ妻が夫に対して逆のことを言うのかという疑問が生まれます。
その疑問を解消させんがために、物語が動き出すということです。
ふじたあさやさんの語るその独特な創作論は、僕の劇作においても大いに役に立っています。
ぜひとも、劇作を志す方には読んでみてほしい一冊です。

 

ふじたあさやの体験的脚本創作法

ふじたあさやの体験的脚本創作法